ころなか

流行りだした頃は、「新型コロナウイルス感染症」はあまりに長いので、そのうちシンコロとか呼ばれるようになるのではないかとひそかに予測し、そうなると江戸時代のコレラがコロリと呼ばれたのと似て、新しい類音牽引や民間語源の事例になるかもしれないと期待していたが、見事に外れ、ただコロナとだけ呼ばれているようだ。
それはまあそれとして、気づけば「コロナ禍」だ。老眼の進む目には最初「コロナ鍋」に見えて、おもっきり煮込んだあつあつの鍋料理を想像したが、もちろんそんな美味しい話はない。
いや、そんなことはどうでもよい。
「コロナ禍」。このところ目にしない日はない。新聞でもネットでも、週刊誌は読まないがその広告でも、とにかく目に付く。目をやれば、そこにいる「コロナ禍」というくらいの勢いだ。
ところで、「コロナ禍」は何と読むのか。おそらく「ころなか」だろう。「ころなわざわい」ではなさそうだ。
でも「ころなか」はほとんど耳にしない。テレビはあまり見ず、家人が見ているのを横で聞き流しているが、「ころなか」は聞こえてこない。
テレビを見ない一方でラジオはよく聞いている。風呂にも防水タイプを持ち込むほどだ。それでも「ころなか」を聞いた覚えがない。
「ころなか」は、あきらかに現れに偏りがある。書き言葉であり、見る言葉、読む言葉なのである。話したり、聞いたりするときには、ほとんど使われない。
そんなことに気づいた散歩道で、ふと、ころなか、とつぶやいてみた。
かわいいわけがないが、せつない響きだった。

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